ベートーヴェンとシューベルトの最後の3つのピアノソナタ
さいたま市桜区のピアノ教室
フリューゲルピアノアカデミー講師の根岸弥生です。
生徒がレッスンで弾いていることもあり、久しぶりにベートーヴェン最後の3つのソナタの追究練習をしていたら、並行して無性にシューベルト最後の3つのソナタも練習したくなった。
シューベルトは、ベートーヴェンを尊敬していたことで有名。
だから、ベートーヴェン最後の3つのソナタ(Op.109,110,111)に真似て最後の3つのソナタ(D.958,959,960)を続けて書いた、とも言われている。
(ちなみに、私もベートーヴェンを尊敬し、こよなく愛していることで有名(≧∇≦)笑)
シューベルトは尊敬する先輩、ベートーヴェンに対する愛情をD958で著し、また自分がそこから脱する経緯も垣間見せた。
それが最後のソナタD960だと思う。
シューベルト最後の3つのソナタは、彼が亡くなった年31歳に書かれた最期の晩年の曲。
いま正に、30代を生きる自分が研究すべき曲なのである。
ってなわけで、この渋い6曲と寄り添ってます♬
◾︎ベートーヴェン最後の3つのソナタ
全32曲のピアノソナタ史上でも最も高みに達した3曲であり、ベートーヴェンの到達した世界を全面に現したもの。
そこには果てしないファンタジーがあり、そのどれもが神と人類に対する勝利の余韻を残し、自分に永遠のSpace、その「輪」と調「和」を誘ってくれる気がする。
◾︎シューベルト最後の3つのソナタ
ベートーヴェンとはまた違った方向で、全21曲のピアノ・ソナタ史上で最も深みに達した3曲で、生と死、希望と絶望の淵を現している。
2人の晩年はそれぞれ異なっているけど、若く晩年を迎えてしまったシューベルトの遺作ソナタ3曲に、若さのみなぎるバイタリティーとエネルギー、そして外向的な感情表現さえ感じる。しかも、オーケストラのために書かれているかのように壮大。
それにしても…
31歳、この死の年に彼は何という絶品を書き残したことか!!
偉人…いやっ、変人の天才だな…笑
特に最後のソナタD.960は、いまの自分と同じ30代に書かれた曲(彼は31で若いけどw)だし、何かしら背景や意図が詠みやすいのかな〜なんて思って、とっかかったけど、とんでもない!!!笑
シューベルトの音楽の世界は、ピアノ曲に限らず、歌曲、室内楽etc、彼の創造性は死の寸前まで、神の指示を受けたかのように思う。
さすらうことの孤独、さまよって、さまよって…ついにここに来た!という思いが聞こえてくる。
深い!
この40分超えの大曲を含め、ベートーヴェンとシューベルトの最後の3つのソナタを自分はどう弾くべきか?どう追究すべきか?
「演奏家のとるテンポの速さ」
ではなく
「聴こえてくる音楽の時間の流れ」
↓
音楽の背後から時間が溢れてくる
この全6曲をそんな渋くて深い演奏出来るように音楽建築していきたいと思う。
コンサートで弾きたいな〜この6曲♬
👇音源(シューベルト最後のソナタD.960より1楽章)は、私をピアニストへと導いてくれたプライベートレッスン恩師、世界の巨匠・ウィーン三羽烏と言われる
イョルク・デームス(当時82歳 現役の演奏)
http://youtu.be/17zXlWBg66g
彼の演奏からは、まさに「音楽の時間」が聴こえてくる☆彡